「レンタルなんもしない人」 こういうのでお金を稼いで生きたい
楽して稼いでる? ともかく面白いビジネスですね
私もなにか、変わった職業してみたい
NPOとかで人助けしたい
これまでの具体的な依頼数は公開されていないが、「一日3~4件こなす日がある」とのこと。
ジャンルに制限などはないが、おおまかに下記のようなものがあり、
依頼者の同意が得られた案件についてはTwitterで内容が公開されている。
傾聴系
自分の趣味の事、人に言えない過去や悩みなど、親しい人には話しにくい事をただ聞いてほしいという依頼。
同行系
一人では行きにくい店や、なかなか気が進まない手続きなどについてきて欲しいという依頼。
DM系
Twitterの機能であるDMを使用し、指定の言葉を返信してほしいという依頼。
その他
自分の作ったご飯を食べてほしい
勉強をする間ただ部屋にいてほしい
人間好きなペットの犬に甘えさせてやってほしい
アイドルグループのセンターにただ立っていてほしい
などバラエティに富んだ依頼内容があり、安全性などを個別に判断した上で
依頼に応えている。
どこまでが「なんもしない」であるかは、森本の判断による。
ゲームの人数合わせ、花見の場所とりなど、
「ただ居るだけで(ごく簡単な受け答え以外は)なんもしない」依頼をTwitterで募集している。
レンタル費用は、1万円の利用料と国分寺駅からの交通費および飲食代
(2020年2月現在)。
サービス開始当初は交通費と飲食費のみであったが、
2019年9月15日ドキュメンタリー『ザ・ノンフィクション』[1]放送後に寄せられた意見をきっかけに有料に切り替えた。
受ける依頼はネット上のみで完結するものから外出を伴うものまでさまざまだが、内容にかかわらず一律で1件1万円となっている。
人間をレンタルする仕事はこれまでにも「おっさんレンタル」などが存在したが、
「なんもしない」をサービスとした事の新しさと、それを求めている人々の依頼の多種多様さが話題を呼び、書籍化などがされている。
このサービスを思いついたきっかけのひとつとして、自分が食事をおごられる事をサービスとしている「プロ奢られヤー」(https://twitter.com/taichinakaj)の名前を挙げている
「“なんもしない”が、自分にはいちばん向いていた」
静かにそう呟いたのは、ツイッターを軸に活動する
「レンタルなんもしない人」35歳(以下、レンタルさん)。
トレードマークの帽子を被り、話しかけると少し伏し目がちに淡々と回答する。
今の彼の生業は、“なんもしない”こと。
詳しくは後述するが、本当に何もせずに、ただそこにいることを仕事にしている。
どれだけ変わった人物かと思いきや、レンタルさんは明るく穏やかで、受け答えの端々には優しさがにじんでいた。
ツイッターのフォロワーは現在17万人超え。
当初はポツポツとこなしていた依頼も、今では断らざるをえないほど殺到している。
「毎日2、3件、多いときは4件ぐらいの依頼をこなしています。
この1年で1000件以上は『なんもしなかった』ですね」
おかしな話だが、レンタルさんの1日は「なんもしない予定」で埋まっているのだ。
「朝8時半ごろ家を出て、依頼者の指定する場所に行きます。
日によって変動しますが、3つほどなんもしない依頼をこなして
帰宅は夜10時前後。
移動がやや大変だけど、基本的になんもしないし、仕事終わりに飲むビールのおいしさが初めてわかりました」
なんもしない……けれど、充実している。
そして、なんもしないけれど、人々から必要とされている。
「なんもしない」とはどういうことなのか?
また、「なんもしない」を職業にした彼は、何を思ってこの生き方を選んだのか。
彼の心の内に迫った。
「なんもしない」生業のはじまり
6月3日は、“レンタルなんもしない人”が誕生1周年を迎える節目の日。
レンタルさんの活動拠点でもある国分寺では、1周年記念イベントが昼夜にわけて開催されようとしていた。
「『レンタルなんもしない人』というサービスを始めます。
1人で入りにくい店、ゲームの人数あわせ、花見の場所とりなど、
ただ1人分の人間の存在だけが必要なシーンでご利用ください。
国分寺駅からの交通費と飲食代だけ(かかれば)もらいます。
ごく簡単なうけこたえ以外なんもできかねます」(原文ママ、レンタルさんのツイートより引用)
ツイートはすぐに話題になり、その存在が世に知られるのに、そう時間はかからなかった。
2019年に入って書籍を2冊発売。漫画化やバラエティー番組の出演、NHKのドキュメンタリーで密着取材を受けるなど、その斬新な生き方には各メディアから注目が集まっている。
1年間でここまで有名になったことについて、レンタルさんは
「1年前では考えられなかったことが毎日起こっていて、夢のようです」
と素直に喜びを表した。
仕事内容は「ただそばにいるだけ」
そもそも“なんもしないサービス”とは、具体的にどんなサービスなのか。
著書『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』(晶文社)からは業務が垣間見える。
「結婚式を眺めにきてほしいという依頼。
事情により友達呼ぶの控えてたけど少しは誰かに見てもらいたい欲が出てきたとのこと」
「離婚届の提出に同行してほしいという依頼。
一人だと寂しさがあるのと、少し変な記憶にしたいという思いもあるとのこと。
『最後に、お疲れ様でした(旧姓)さんと言ってもらえますか』と頼まれその通りにした」
「自分に関わる裁判の傍聴席に座って欲しい」との依頼。
民事裁判で、依頼者は被告側。初裁判の心細さというより、終わって一息つく時の
話し相手が欲しいとの思いで依頼に至ったらしい」
「『引っ越しを見送ってほしい』との依頼。
友達だとしんみりし過ぎてしまうため頼んだとのこと。
元の部屋~東京駅だけの付き合いだったけど、いろいろ楽しい会話もあり、演技のない名残惜しさで見送れた」
「気の進まない婚活の作業を見守ってほしいとの依頼。
唸り声を10分に一回くらいあげながら登録作業に勤しんでいた」
著書『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』(晶文社)より一部抜粋
なんもしなくていい。家族でも友人でも恋人でもない、自分のことをまったく知らない誰かに、ただそばにいてほしい。
レンタルさんは、さまざまな依頼人の心のスキマに寄り添うが、
なにか特別なスキルで依頼者を癒やすわけでも、的確なアドバイスを繰りだすわけでもない。
本当にただそこにいるだけ。
極端な話、空気のような存在なのだ。
もちろん、「いる」だけではなく依頼者の身の上話や知人には話せないような秘密、
趣味についての熱いトークに、耳を傾けることもある。
「自分の好きな作品について語りたいが、友人では迷惑かもしれないから
……という人は多いです。
また、初見の人の純粋な反応を知りたいという場合もありますね」
SNS上で盛んに行われるような感情の共有と拡散を、依頼者たちは
レンタルさんにリアルの場で求めている。
著書『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』(晶文社)
依頼の多くはツイッターのDM経由で、依頼者は若い女性が多いという。
女性ゆえの不安を解消する「なんもしない」リクエストも少なくない。
「例えば夜にポケモンGOをやりたいが夜道に女子一人は怖いから一緒にいてほしい……とか
夜の新宿を撮影して回りたいが不安なので見守ってほしい、とか。
逆に男性ひとりではためらうようなかわいいお店に入ったり、
クレープを食べるのを付き合ったり、男性ならではの依頼もありますね」
「なんもしない人」までの道のり
どこまでを「なんもしない」の範疇に収めるか、という判断はあくまでレンタルさんの主観だ。
やりたくなければ断るし、依頼者の相談内容やそのときの気分でも変わってくるという。
なんもしない、を始める前はどんな生活を送っていたのだろうか?
「大学院を卒業して、周囲が研究者の道を進むなか、学習参考書の出版社へ入りました。
でも、いろいろ悩んで3年で辞めたんです。
その後もライター業をやっていたのですがしっくりこなかった。
自分にはなにも向いてない、と思っていました」
穏やかに受け答えをしてくれたレンタルさん
会社員勤め時代、上司に
「生きているのか死んでいるのかわからない」
「なんでいるのかわからない」
と言われたという、レンタルさん。
なんもしない、を選択するまでには、ある哲学者との出会いがあったという。
「ひとつは33歳のときに読んだ『ツァラトゥストラかく語りき』でニーチェと出会ったこと。
これまで自分のなかで◯◯しなければならない、と縛られていた常識や価値観が覆されて、
だいぶ生きやすくなりました。
自分で面白い、と思えばそれでいいんだという
根拠のない自信が持てるようになったんです」
ニーチェは、人間関係の軋轢に悩みながら生活の保証や安楽のために生きるのではなく、永劫回帰の人生のなかで自らの確立した意思を持ち「超人」として生きよ、と説いている。
「大学院に進学したのも周囲がそうしていたからで、なんも考えずに流されただけでした。
自分の意思で生きることは少なかった」
ニーチェとの出会いによってレンタルさんは、自分の生き方を見つめ直しはじめた。
レンタルなんもしない人の活動場所をツイッターに定めたのは、学生時代からの趣味が大いに影響しているようだ。
「15年ほど前からお題に対して面白い回答をする
『ネット大喜利』という遊びにハマって、6年ぐらい投稿し続けて、サイトのランキングで1位になったりもしました。
言葉を使った表現が面白いと思ったのは大喜利のおかげですね
ツイッターもそうだけど、短文で気の利いたことを言う、というのがぼくにはあっていたんだと思います」
大喜利サイトには『夫のちんぽが入らない』(扶桑社)の作者こだまさんや、
『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)の爪切男さんなど
SNS発でいまや大人気となった作家もいたという。
「面白い」へのこだわり
短い言葉で、いかに人を笑わせるか……
大のお笑い好きだったレンタルさんにとって、大喜利の世界は
自分にとっての「面白い」を表現する唯一の場所だった。
それは現在、ツイッターでの業務報告で見せるユーモアにも
通ずるところがある。
就職して大喜利からいったんは離れたものの仕事を辞めた29歳ごろから再開。
最近まで投稿していたという。表現ツールとして、「面白い」を発信する原点は大喜利にあったのだ。
とはいえ、当時は自分の思う「面白い」にあまり自信が持てなかった。
現在、1歳となる子どもと妻との3人暮らし。共働きではあるものの、無償の「レンタルなんもしない人」を続けるレンタルさん一家は、どうやって生活しているのだろう。
「会社員時代の貯金を取り崩して今は生活しています。
最近は本の発売やメディアの出演もありますし、レンタル業は交通費だけお願いしていますが、別途でいただける場合はお断りしていません」
「たまに「お金を受け取ってほしい」との依頼でお金をもらう。
支援的な意味のものも多いけど、
「無駄使い欲を発散したい」
「ギフト券を送る練習がしたい」
「預金残高の端数(下4桁)が鬱陶しい」
という理由や「ふと」というのもある。
こういうバリエーションは料金とってたら
発生しなかったろうなと思う」
(レンタルさんのツイートより引用・原文ママ)
まるで、寺社における「お気持ち」代に似たような感覚だろうか。
依頼者によっては、レンタルさんを「教会」「懺悔室」と捉えている人もいるという。
「『空調』『壁』『王様の耳はロバの耳』……
ときには『ただの乞食』『新手のヒモ』とか言われることもあります。
とある番組で、ふかわりょうさんに『面白い船の集まる港』と言ってもらえたのはうれしかったですね」
「疲れて飛び降りて入院中の人から
「何も知らない何もしない人に会いたい」との依頼があり病院へ。
(中略)途中「姿は見えるけど話はできない所にいてほしい」と言われ離れた後、3枚目の画像のDMが来た。「1人にさせてくれる他人」が必要だった模様」
(レンタルさんのツイッターより引用)
送られてきたメッセージには、こんな依頼主の切実な思いがつづられていた。
「自分の本当の依頼内容は『一人になりたい』だったのかもしれません。
一人では一人になれないので。(中略)一人にさせてくれる自分のための他人がいることはとても贅沢だと思いました」(依頼主のDMより引用・原文ママ)
誰とでも手軽につながれる現代、「一人にさせてくれる」レンタルさんに救われている人は、確かに存在するようだ
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