養老孟司『自分の人生は自分のもの』ではない 「なぜ死んではいけないか?」 と考える|忍者猫 ブログ

養老孟司『自分の人生は自分のもの』ではない 「なぜ死んではいけないか?」 と考える

養老孟司『自分の人生は自分のもの』ではない 「なぜ死んではいけないか?」 と考える

解剖学者の養老孟司さんが『子どもが心配 人として大事な三つの力』(PHP新書)
という本を出した。


養老さんは「戦後の日本では、『自分の人生は自分のものである』
という考え方が広がった。

しかし、こういう考え方からは生きる意味なんて出てこない」と語る


都市化とは人間が頭の中で考えたことを外に出して街をつくるということ。
「脳化」と言い換えてもいい。

僕はいつも「ああすれば、こうなる」というのですが
そういう考えでつくられているのが都市である、ということです。


たとえば、都市では切符を買って電車に乗れば、目的地に着くでしょう。

これも、「ああすれば、こうなる」の一例。
都市はそのように作られている。


しかし、自然の中ではそうはいきません。
森の中で迷ってしまえば、どこにたどり着くかわからないのです。



ある国なり地域なりが都市化すると、多くの場合、少子化が起こります。
先進国の都市ではどこもかしこも出生率が下がって
少子化が起こっている。


なぜかといえば、都市は頭でつくられているのに対して
子どもは自然だからです。


ひとりでに生まれてきて、親の思うようになりません



大ざっぱに言って、ひと世代で半分ぐらいに減っているんだから
このままいけば遠からず日本は消える。


日本から物理的に人間がいなくなってしまう日が
本当にやってくると、僕は考えています。


「自分の人生は自分のもの」ではない


「自分の人生は自分のものである」と考えているかもしれないし
それで何が悪いのかと思うかもしれない。


ですが、この考え方は子どもの自殺と
大いに関係があると僕は思うのです。


「なぜ、死んではいけないんですか?」
と質問する子どもは、暗黙のうちに、自分の人生は
自分のものなんだから、自分の体をどうしようと勝手だろうと考えています。


これはとんでもないことです。


自分の人生は自分のものなんかでは、まったくない。


もちろん、自分の人生は他人のものでも国家のものでもありませんが
自分ひとりのものであるという考え方からは、生きる意味なんて
出てこないのです




人生の意味は外部にある




これは『バカの壁』(新潮新書)でも触れたことですが
V・E・フランクルという


アウシュビッツ強制収容所に収容された体験を持つ
心理学者は、「意味は外部にある」という言葉を残しています。


わかりやすく言えば


「人生の意味は自分だけで完結するものではなく
常に周囲の人、社会との関係から生まれる」


(前掲書より)ということです。



つまり、周囲の人や社会との関係がないところから
生きている意味は生まれてこないとフランクルは言うわけですが


個人主義の広がりによって、農村共同体やその代替物
だった会社という共同体すら崩壊してしまった
現代の日本では、生きる意味を見いだすことがとても難しくなっています。


いじめ問題も都市化で深刻になった


科学的にいえば、人間の体は物質でできていて、それは
どこから来たかといえば、多くは田んぼからきている。


田んぼとか、海とか、川とかが、形を変えてあなたの体に
なっているんだよってことを教えないといけない。


いじめの問題が大きくなってしまっているのも
子どもに本来あった自然とのつながりが断たれて
子どもの世界が狭くなってしまったことが原因です。


人が何かとのつながりを求める生き物だとしたら
自然とのつながりを失った代わりに

子どもの中で身近な人間関係が非常に大きな
ウエイトを占めるようになってしまった。


昔からいじめはありました。だけど、昔の子は
いじめられたら、海や山や川に逃げることができたんです。


僕なんかは、いじめられても、夜に電球にカブトムシが
飛んできたら、全部、忘れていましたっけ。


僕は昆虫採集が好きですが、虫とり仲間と話しているととても面白い。


ひとりでに身につく自然のルールや知性は

入学試験で判定できるようなものではありません。


ですが、それを手に入れることは後々の人生すべてに大きく影響を与えます。

「人生という試験に耐えられる人間になる」と言ってもいい。


人生100年時代であることを考えれば、子どもを塾に行かせたり
習い事漬けにするよりも、自然のルールを身につける方が
はるかに大切なことではないでしょうか。





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