カマキリを入水自殺させる「寄生虫」 寄生虫が宿主の行動を操る ハリガネムシのヤバさ|忍者猫 ブログ

カマキリを入水自殺させる「寄生虫」 寄生虫が宿主の行動を操る ハリガネムシのヤバさ

カマキリを入水自殺させる「寄生虫」 寄生虫が宿主の行動を操る ハリガネムシのヤバさ

カマキリを酔っ払いのようにあちこち歩かせ
最終的に水場へと導いて溺れさせる寄生虫がいる。

カマキリはまるで酔っぱらいのように
あちこちを歩き回り、川に近づいてなんら
躊躇(ため)らうことなく水面へと脚を踏み出して
その中へと転げ落ちる。


そして、そのまま溺(おぼ)れ死んだり
それを見つけた幸運な魚にパクリと食べられたりする。

もちろん、彼らはアルコールで酩酊
(めいてい)しているわけではないが
その脳はある種の神経伝達物質のカクテルに
冒されている。


このカクテルをつくったものこそ、ハリガネムシという寄生虫である。


このハリガネムシという寄生虫が宿主の行動を操るということだ。
ハリガネムシに寄生されたカマキリはむやみやたらと
歩き回るようになり


そのうち、きらきらと光を反射する水面を見ると
ろくに泳げもしないくせに水の中へ入っていったり
飛び込んだりしてしまう。

傍目(はため)にはカマキリが世を儚(はかな)ん
で入水自殺したかに見えるこの行為は
その体内に寄生しているハリガネムシに
よってそう仕向けられたものだ。



ハリガネムシに寄生されたカマキリは
水面の反射光に含まれる、電磁波の振動が
水平方向に偏った「水平偏光」に反応
していることが報告されている。


つまり、この寄生虫はカマキリの脳に作用する
神経伝達物質によって、彼らを活発に動きまわらせながら
水面の光を好むように仕向け
太陽や月の光を反射して輝く水面に
身を投じさせているということになる。


ハリガネムシがなぜわざわざ手間暇かけて
カマキリの神経伝達物質をつくり
その行動を操って入水させているかというと
水中に脱出してパートナーとめぐり逢い、交尾をするためだ。



ある研究によれば、その地域のヤマメやイワナといった
渓流魚が得ているエネルギー源の約60パーセントが
ハリガネムシに操られて水に落ちたカマドウマに
よるものだったという。

栄養豊富なカマドウマがたくさん川に飛び込んでくれば、
魚が普段食べていた水生昆虫は見逃されやすくなり
それらは、翌年に生まれるハリガネムシの幼虫の乗り物となる。


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